通知表

     皆さんは、通知表の記憶ってありますか?


 私は、小学校の成績だけは、とても良かった記憶があり、自信をもっていました。親戚の子どもに、「すっごく勉強したから成績がよかったよ〜、通知表が残っていたら見せてあげたいよ。それが出来ないのが残念で仕方がないな〜。」とさらに、彼の通知表に対して「生活態度などもう少し気をつけないとこのままでは、まずいよ」などともつけ加えておりました。

 別の部屋にいた母親に、自分の通知表のことを尋ねたら、「しまってとってある」というのです。それならば、早速出してもらい、見てみようということになりました。

  それを手にし、内心わくわく、どきどきしながら、小学生時代の自分と対面しました。
 
 中を開いてみると、成績はいたってごく普通〜でした。生活態度の欄も、”もう少し”は一つもなかったけれど、”ふつう”がたくさんありました。




 1年生2学期の先生所見には、”やる気があり発表などもよくしてくれますが、惜しいことに計算など一回で全部合うことが少ないようです。早さだけでなく、腰をすえて学習させたいと思っています”とありました。

 うちの家族みんなも私の成績が良いイメージを強く抱いており、それがあまりに大きく違ったので、そのギャップに大笑いしました。そういえば、学校でよく机の下で指を折って計算していたよな〜。指が足りなくて困ったこともあった。

 人の記憶なんてほんとうに当てにならないものだと実感。甥には、悪いけれど通知表を披露することなしに ”そっ〜”と自分の鞄の中へしまい込みました。その行動のすばやさに、さらに大爆笑。

 「何が面白いの〜?」と聞きにきた彼には、「次またがんばれば成績は、大丈夫。たいしたことはないよ」と伝え、心の広い豊かな気持ちになりました。

 人間の記憶は、悪いものは消され、良いものだけが残るように作り変えられるのかしら?。。。。。

 今、現在こうして昔の自分に逢わせてくれた、母が通知表を残していてくれたことに感謝しています。本当にありがとう。